飛行機で旅行をするときの最大のリスクといえるのが遅延や欠航。旅行や出張などの予定が大幅に狂ってしまうことになります。そんな飛行機の遅延や欠航において費用面で助けとなるのが、航空機遅延保険です。
旅行傷害保険などの特約としてセットされます。航空機の遅延や欠航などの際に宿泊費や食事代などが補償される保険となっています。
飛行機の遅延や欠航に力を発揮。食事代などが補償される
航空機遅延保険はその名前の通り、飛行機の遅延または欠航時にその損害を補償してくれる保険となっています。
欠航や運休が対象で、遅延については条件があり、基本的に4時間以上(6時間以上)の出発遅延となっています。また、乗り継ぎが必要なケースで搭乗した飛行機が遅れて、乗り継ぎを予定していた航空機に搭乗できず、4時間以内(6時間以内)に代替の航空機を利用できない場合も対象となります。
<補償の対象となる費用>
海外旅行傷害保険の損保ジャパン「新・海外旅行保険「off!」の航空機遅延費用補償では以下のような内容が補償されます。なお1回の事故当たり2万円を上限とします。
- 宿泊費用
- 食事代
- 電話等の通信費
- 旅行サービスの取消料など
- 宿泊施設への移動に必要な交通費
など幅広い内容が対象となっています。なお、こちらの保障はオプションとなっており、特約保険料の支払いが必要となります(1旅行100円程度)。
また、同じ航空機関係で起こりうる「事故」には預託手荷物遅延があります。いわゆるロストバゲージ(預けた荷物の紛失)というやつです。
- ロストバゲージ
- ディレイバゲージ
こちらは航空機遅延保険ではありませんが、「航空機預託手荷物遅延等費用補償」として同じパッケージの中で補償されるのが一般的です。
補償されるのは実際に使ったお金
航空機遅延費用保険・航空機預託手荷物遅延等費用補償保険はいずれも、事故に遭った(遅延や欠航となった、手荷物紛失となった)だけで補償される保険ではありません。こうした保険事故が発生した上で、実際に使ったお金が費用補償の対象となります。
たとえば、飛行機が6時間以上遅延したので、その際に要した食事代(レシート分)が保険で補償されるわけです。宿泊費も同様の考え方となります。
なお、大手航空会社の場合、こうした遅延があった時にミールクーポン(食事券)などをくれたりすることがありますが、こうした対応があった場合、その対応を超えた費用分のみが保険の対象となります。
当然領収証が必要となりますので保管しておいてください。ちなみに、補償対象となるのは被保険者のみです。
自分一人が加入して同伴者全員分の費用を補償してもらうことはできません(家族特約等がある場合は別)。
事故後の保険手続きは旅行後でもOK
必ず、遅延証明書など航空会社が発行する保険事故が発生したことを証明する書類をもらいましょう。英語では「delay certificate」「certificate of lateness」です。なお、航空券の半券なども必要なることがありますので残しておきましょう。
手続きは旅行の後でもOKです。ただし、30日以内といった規定はあるので早めに手続きしましょう。
クレジットカードに付帯する航空機遅延保険を活用しよう
海外旅行に行く際に「海外旅行傷害保険」に別途加入するケースも多いかと思いますが、実はクレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険の中に、この航空機遅延保険や航空機預託手荷物遅延保険などがコミコミになっているケースもあります。
中には自動付帯(自動的に保証されている)ケースもあります。海外旅行や国内旅行で飛行機に良く乗る人は、こうしたクレジットカードを一枚持っておくと不意に発生した飛行機の遅延や手荷物紛失などでも慌てずにすみますね。
なお、要申請な上、カードによって条件も異なるので内容をしっかりと把握しておきましょう。
おすすめのクレジットカードの航空機遅延保険
海外旅行傷害保険が付帯されているクレジットカードは色々ありますが、航空機遅延保険・航空機預託手荷物遅延保険がセットになっているものはあまり多くはありません。
- セゾンゴールド・アメリカンエキスプレスカード
- JCBゴールドカード
- アメリカンエキスプレスゴールドカード
- ラグジュアリーカード
- dカードGOLD
- 三井住友ゴールド
この辺りが代表的です。名前を見てもらうとわかるように、いずれのカードもゴールドカード級~それ以上のランクのクレジットカードとなっています。
年会費無料のカードではありませんのでご注意ください。ただ、言い換えるとこうしたゴールドカードのようなクレジットカードには今回紹介しているような「航空機遅延保険」のような補償がセットになっているわけです。
また、大抵のゴールドカードには空港ラウンジサービスなんかも付帯しているので飛行機に乗ることが時々あるという方は、一枚こうしたカードを持っておくと便利です。
クレジットカードによって補償範囲も内容も違うので注意
なお、クレジットカードの航空機遅延保険はカードによって保険内容も実は結構差があったりします。
具体的に比較した表は以下の通りです。
対象路線 | 補償範囲 | 上限金額 | 家族特約 | |
---|---|---|---|---|
セゾンゴールド・アメリカンエキスプレスカード (年会費1万円+税) |
国内線/国際線 | 食事・ホテル・手荷物・交通費・取消料・違約金 | 3万円 ※手荷物紛失は10万円 |
あり(海外のみ) |
JCBゴールド (年会費1万円+税) |
国内線/国際線 | 食事・手荷物 | 2万円 ※手荷物紛失は4万円 |
なし |
三井住友ゴールド (年会費1万円+税) |
国内線/国際線 ※国内線は利用付帯 |
食事・手荷物 | 1万円 ※手荷物紛失は2万円 |
なし |
アメックス・ゴールド (年会費2.9万円+税) |
国際線 | 食事・手荷物 | 2万円 | なし |
アメックス・プラチナ (年会費13万円+税) |
国際線 | 食事・手荷物 | 3万円 ※手荷物紛失は6万円 |
あり(利用付帯) |
ラグジュアリーカード (年会費5万円~+税) |
国内線/国際線 | 宿泊・食事・手荷物 | 2万円 ※手荷物紛失は4万円 |
あり(海外のみ) |
dカードGOLD (年会費1万円+税) |
国内線 ※利用付帯 |
食事・手荷物 | 1万円 | なし |
まず、クレジットカードのほとんどの航空機遅延保険は「食事代」と「手荷物」の保険だけとなっています。宿泊が必要になった場合の補償はありません。
アメックス・ゴールド、プラチナ、それにラグジュアリーカードは年会費がちょっと高すぎますね。もちろん、これらのカードには航空機遅延保険以外にも様々なベネフィットがありますので、一概にダメというわけではありませんが、航空機遅延保険をメインに考えるとちょっとね……。
セゾンゴールド・アメリカンエキスプレスカード コスパ最強
年会費1万円+税(初年度無料)
航空機遅延保険で圧倒的な存在感があるのは「セゾンゴールド・アメリカンエキスプレスカード」ですね!食事代以外にも、宿泊費やキャンセル・取消費用なども補償されます。
1回の到着機の遅延について、下記費用の実費を3万円限度としてお支払いします。
- 宿泊費と食事代、交通費および国際電話料等通信費。ただし、被保険者が払戻しを受けた金額、被保険者が負担することを予定していた金額、または②により支払われるべき金額はこの費用の額から控除します。
- 旅行サービスについて、取消料、違約料、旅行業務取扱料その他の名目において、旅行サービス提供・手配機関との契約上払戻しを受けられない費用またはこれから支払うことを要する費用。※これらの費用は社会通念上妥当な費用であり、かつ、保険事故と同等のその他の事故に対して通常負担する費用相当額とします
他社カードだと食事代のみというところが多い中で、旅行サービスの取消料など(たとえば、旅行予定だったホテルのキャンセル料など)も対応できるという事になります。
実はJALマイルも貯めやすいカードだったりするので、トラベラー推薦の一枚です。
JCBゴールド スタンダードなゴールドカードで補償も良い
年会費1万円+税(初年度無料)
セゾンゴールド・アメリカンエキスプレスと比較すると少し落ちてしまいますが、国内線・国際線の両方に対応しており、2万円分の航空機遅延保険が自動付帯となっているのはうれしいです。
海外旅行だとJCBは弱いイメージがある(たしかに決済は弱い)のですが、JCBトラベルプラザなど日本語サポートしてくれる拠点があるのも日系国際ブランドの強みです。
dカードGOLD ドコモユーザーはお得なカード
年会費1万円+税
海外旅行傷害保険(航空機遅延保険)というくくりでいえば、今回紹介している3枚のカードの中では、一番補償は低いです。国内線のみですからね。
ただし、ドコモユーザーの場合、このカードは持っているだけで、ドコモ料金(ドコモのケータイ料金や光インターネットの利用料金)の約10%が還元される仕組みになっています。仮に月に1万円の支払いがドコモにあれば、ポイントだけで年会費相当分が受け取れる計算となります。
こうした条件に合致する方でいわゆるドメ専(国内旅行中心)の方にはいいかもしれません。なお、利用付帯である点にご注意ください。
私、とらべるお(@TravelersHack)が、お得に旅行をするために私が活用していることをまとめています。個人的に大切にしているのが「ポイント」の上手な活用です。ポイントというとオマケというイメージが強いかもしれませんが、うまく利用するとその価値を2倍、3倍と高めることができたりします。
お得に貯める×お得に使う
この掛け合わせが大切ですね。
ポイントサイトで旅行資金を貯める、旅行で貯める
ポイントサイトを使って、ポイ活でホテルポイントやマイルに交換して旅行でなるべくお金を使わないで済むようにします。また、旅行するときは、楽天トラベルやじゃらんネットなどもポイントサイト経由にすることでポイントを貯めます。
ポイントを上手に交換して旅行をお得にする
代表的なのは「マイル交換」でしょうね。クレジットカードや各種キャンペーンなどでポイントをためて、そのポイントを交換して、効率的に旅行します。同じ1ポイントでも交換ルートを工夫するだけで確実に得ができます。
ちなみに「マイラーに向いていない人」というのもいます。自分の旅行スタンスを考えてみることも大切です。他にもホテル系のポイントもお得だったりします。今私が活用しているのは「ニューオータニの宿泊券・レストラン券」だったりします。
お得な旅行サービスを活用する
この他、旅行やホテル宿泊をお得にするWEBサービスや会員プログラムを活用するのも手ですね。ポイントに近いところだとHafHのようなコイン(ポイント)を積み立てて宿泊に使えるというサービスもあります。
上手くコインを貯めていけば旅行をお得にすることができるはずです。キャンペーンを活用するのもいいですね。