海外旅行に行くときの強い味方となる「海外旅行傷害保険」。今回はこの海外旅行傷害保険が付帯保険としてセットされているクレジットカードの内、特に秀逸といえる補償内容やコスパを誇るカードを比較していきます。
海外旅行傷害保険は保険会社を通じて加入することもできますが、死亡・後遺障害以外は保険の重複加入による積み上げも可能なので、クレカの旅行傷害保険があるに越したことはありません。カードを保有することで海外旅行をより安心にしていきましょう。
Contents
海外旅行傷害保険とは何か?
海外旅行傷害保険とは海外旅行時の以下のような状況で保険金が補償される傷害保険の一種です。
- 死亡・後遺障害(死亡したとき、後遺障害が残った時の補償)
- 傷害治療費用(怪我をした時の治療費の補償)
- 疾病治療費用(病気をした時の治療費の補償)
- 賠償責任(店の物を壊したなど第三者に対して賠償責任を負った時の補償)
- 携行品損害(持ち物が壊れてしまった、盗まれた時などの補償)
- 救援者費用等(自分に万が一があり、家族などが救援に来る時の費用の補償)
中でも海外旅行中の病気やケガにかかる治療費を補償してくれる点は大きいです。海外は日本よりも医療費が高額となるケースも多く、万が一の際に多額の費用が掛かるケースがあります。
こうした、海外旅行での万が一のサポートとなるのが海外旅行傷害保険です。
海外旅行での病気やケガの治療費は大きなリスク
上記の記事でもっと詳しく紹介していますが、一例として、2014年度のジェイアイ保険の統計による海外の高額医療費は1位9335万円、2位:6080万円、3位:5664万円、4位:2414万円、5位:1888万円となっています。かなりの高額です……。
もちろん、極端なケースであることは間違いないですが、海外旅行で病気やケガをすると場合によってはこうした高額な治療費用が必要になるケースがあるわけです。
数百万円単位
クレジットカードで海外旅行傷害保険を積み上げよう!
クレジットカードの付帯保険に設定されている治療に関する保険は100万円~200万円程度が上限となっていることが多いです。最悪1000万円かかるかもというリスクには対応できていません。
クレジットカードの付帯保険だけではだめなのか?といわれるとそうではありません。傷害や治療にかかる補償部分は「合算」が可能だからです。
クレジットカードの海外旅行傷害保険では、別々のカード会社であれば、それぞれの保険を合算することができます。たとえば、200万円の病気や怪我の保険があるカードを3枚もっていれば600万円までの補償を受けられるということになるわけです。
年会費なども考える必要はありますが、 旅行傷害保険が充実したカード数枚を持っていればある程度の傷害保険はカバーできるはずです。
自動付帯と利用付帯の違いに注意
まず、クレジットカードの海外旅行傷害保険で知っておきたいのが、自動付帯と利用付帯の違いです。
自動付帯
クレジットカード保有者に自動的に海外旅行傷害保険が適用される。
利用付帯
クレジットカードで当該旅行代金(宿泊費や交通費など)の一部を支払っている場合に海外旅行傷害保険が適用される。
どちらがいいか?と聞かれたら自動付帯の方が便利ではありますね。ただ、利用付帯は絶対にダメというわけじゃないです。飛行機代とかホテル代とかをカード払いにすれば保険が適用されるわけなので、ハードルは高くないです。
年会費無料のクレジットカードで特にお勧めのカード
保有コストのかからない年会費無料のクレジットカードの中でも特に、海外旅行傷害保険面でおすすめのカードを紹介します。とりあえず、持っておくだけでも海外旅行のお守りになるクレジットカードです。
複数枚作っておけば、病気やケガの補償は積み上げられます。
エポスカード
年会費無料のクレジットカードにも拘わらず「自動付帯(無条件で海外旅行傷害保険が適用される)」のカードとなっています。かなり珍しいです。
年会費:無料
補償期間 最長90日
- 傷害死亡・後遺障害 500万円
- 傷害治療費用 200万円
- 疾病治療費用 270万円
- 賠償責任 2000万円
- 救援者費用 100万円
- 携行品損害(免責3,000円) 20万円
死亡・後遺障害は低めですが、気になるケガや病気の治療費に対する補償が手厚いです。医療費キャッシュレスサービスが付帯しているので、現地で現金がなくても支払い(立替)をしなくていいのは強いです。
REXカード
エポスカード同様に最高2000万円の海外旅行傷害保険が自動付帯する年会費無料のクレジットカードです。
年会費:無料
補償期間 最長90日
- 傷害死亡・後遺障害 2000万円
- 傷害治療 200万円
- 疾病治療 200万円
- 賠償責任 2000万円
- 携行品損害 20万円
- 救援者費用 200万円
いい感じです。
Booking.comカード
三井住友カードと旅行サイトのBooking.comの提携クレジットカードです。海外旅行傷害保険の一部が自動付帯となっています。
年会費:無料
補償期間 最長90日
- 傷害死亡・後遺障害 2000万円(内訳:自動付帯300万円、利用付帯1,700万円)
- 傷害治療費用 100万円
- 疾病治療費用 100万円
- 賠償責任 2500万円
- 携行品損害 20万円
- 救援者費用 150万円
3枚の年会費無料の海外旅行傷害保険の自動付帯カードを紹介しました。この3枚を組み合わせれば病気やケガで500万円以上の保障が得られるわけです。
海外旅行傷害保険が充実したゴールドカード系のクレジットカード
より海外旅行傷害保険や海外旅行に+αとなるサービスが付帯したクレジットカードを紹介していきます。年会費はかかりますが、海外旅行をより安心に、そしてより快適にしてくれるサービスも整っています。
たとえば、「航空機遅延保険」などが付帯していたりするのはゴールドカード以上のクレジットカードの大きな強みと言えます。
JCBゴールドカード
スタンダードなゴールドカード一枚。海外旅行傷害保険に「航空便遅延保険」が追加でセットされます。海外での飛行機の遅延や欠航、ロストバゲージなどを補償してくれます。海外での決済がやや弱いです(JCB非対応のお店が多い)。
ハワイのように日本人が多いエリアは良いですが、ヨーロッパなどならVISAかMastercardブランドのクレジットカードを別に持っていきましょう。
年会費:1万円+税
補償期間 3か月
- 傷害死亡・後遺障害 10000万円
- 傷害治療費用 300万円
- 疾病治療費用 300万円
- 賠償責任 10000万円
- 携行品損害 50万円
- 救援者費用 400万円
- 海外航空機遅延保険 2万円~4万円
保険金額が大きいのに加えて、海外航空機遅延保険が付帯するのは魅力です。なお、家族カード会員も対象です。
アメリカンエキスプレスゴールドカード
旅行傷害保険だけでなく、海外旅行に役立つサービス面も強い。たとえば、自宅から出発空港までのスーツケースの無料宅配サービスはすごく便利です。また、プライオリティパス(海外ラウンジパス)も回数制限付きながら利用できます。
海外旅行に強いという面でいえば、アメックスゴールドはかなり強い味方となるはずです。その分、年会費もお高めですが……。
年会費:31,000円+税
補償期間 最長90日
- 傷害死亡・後遺障害 10000万円(5000万円)
- 傷害治療費用 300万円(200万円)
- 疾病治療費用 300万円(200万円)
- 賠償責任 10000万円
- 携行品損害 50万円
- 救援者費用 400万円(300万円)
- 航空便遅延費用補償:2万円~4万円
海外旅行傷害保険も充実しています。自動付帯ですが、旅行代金の一部決済がない場合は()内の保険金額となります。
航空便遅延費用に対して2万円~4万円が補償されます。このほか、 キャンセル・プロテクション も利用できます。これは、海外旅行を仕事や病気やケガでキャンセルする際の費用を補償するというアメックス独自の補償です。
また、オーバーシーズ・アシストという海外旅行先での日本語サポートサービスも提供されています。レストランの予約から医療機関の紹介、弁護士などの法的サービスの紹介などをサポートしています。
クレジットカードは海外旅行の強い味方になる
病気やケガに関しては、日本とは勝手が違う上、費用も高額になりやすいです。万が一、自力で帰国できない場合は家族などに迎えに来てもらう必要などもあり、さらに高額な費用がかかります。
今回紹介したように一部のクレジットカードには海外旅行傷害保険がセットされていて、これを利用することで海外旅行での万が一に備えることができます。
また、クレジットカードの中には、海外旅行をサポートする様々な特典や機能もあります。特に、年会費は必要になりますが、アメックスゴールドなどは、こうしたトラベル系のサービスがかなり充実しています。
海外旅行が不安な方はこうしたクレジットカードをお供にすることで旅行をより安全かつ安心に楽しむことができるのではないでしょうか?