ホテルや旅館のアメニティで持ち帰りできるものとできない備品の違いホテルや旅館に宿泊した時、備品やアメニティなどを持ち帰るという方も多いかもしれません。でも、持ち帰るとき、どこらへんまでOKなのか?という基準みたいなもので迷っている方も多いかもしれません。

そんなわけで、今回はホテルや旅館で提供されている備品やアメニティを持ち帰ってOKなものとダメなものについて考えていきたいと思います。

結論:使い切り前提の歯ブラシ・カミソリ・個包装スリッパなどは持ち帰りOKなことが多い一方、タオル、バスローブ、ドライヤー、ハンガーなど再利用する備品は持ち帰りNGです。不安な場合はフロントに確認しましょう。

基本的にホテルの備品は持ち帰りが前提ではない

まず、基本的にホテルが部屋に置いている備品類は「ご自由にお持ち帰りください」というように持ち帰りが明示されていない限り勝手に持ち帰ることはできないというのが原則論です。

一方で、「消耗品である」「再利用が前提ではない」といった一部のアメニティや備品については持ち帰っても大丈夫です。

消耗品で、再利用が前提ではないアメニティ・備品は?

消耗品で、再利用が前提ではないアメニティ・備品というのは、あなたが利用してしまえば、他のお客さんに提供することができないものと考えるとよいでしょう。

洗面所においてあるアメニティは基本持ち帰りOK

  • 使い捨て歯ブラシ
  • 剃刀
  • ヘアブラシ
  • シャワーキャップ
  • ゴムバンド
  • ヘアゴム
  • ボディスポンジ
  • 綿棒・コットンパフ
  • ミニボトルシャンプー/リンス/コンディショナー/ボディソープ
  • 固形石鹸
  • 入浴剤/バスソルト

こういったものは、あなたが使えば再利用はされませんので、持ち帰っても問題ないと考えられます。こうしたものは、あれば小旅行やキャンプなどの時に便利だったりするので私も持ち帰ってしまいます。

連泊するときは1泊分は使うけど2泊目は持ち帰るなんてこともありますね。

【注意】プラスチック新法によるアメニティの変化(2022年〜)

2022年4月施行のプラスチック資源循環促進法により、ホテル・旅館では歯ブラシ・カミソリ・クシ・ヘアブラシ・シャワーキャップの5品目について、フロントでの希望者配布・有料化・廃止などの対応が義務付けられています。

最近は「アメニティバイキング」としてフロントに置き、必要な分だけ持参するスタイルが増えています。この場合、フロントで受け取ったアメニティは原則使い切り前提なので持ち帰りOKですが、余分に大量に持ち帰るのはマナー違反となります。

基本アメニティ類は持ち帰りOKと考えられますが、シャンプーやボディソープなどお風呂場で大きなボトルに入っているようなものもあるかと思います。こうしたものは次のお客さんにも提供されるものなので持ち帰りはNGです。

中には、“中身だけ”を持ち帰ろうとする人もいるようですが、常識的に考えてそれはダメでしょう。

使い捨てのタオルはOKだけど基本はNG

タオルについては悩む方もいるかもしれませんが、旅館などで提供されている、ビニール袋に入った薄いタオル(旅館名などが記載されている奴)は使い捨てなので基本的に持ち帰っても大丈夫です。

一方で、ホテルで提供されているタオルはクリーニングして再利用していますので持ち帰りはダメです。中にはバスタオルやバスローブなども持ち帰ってしまう人もいるそうですが、このあたりはお値段高いので、場合によっては後から請求される可能性もありますよ。

使い捨てスリッパはOK

ホテルにはスリッパが用意されていることがありますが、こちらも“再利用されないもの”であれば持ち帰りはOKと考えてよいです。ビニール袋などに封入されているようなタイプですね。

一方で使い捨てではないビニール素材、レザー素材などのスリッパは持ち帰りはダメです。

無料のお茶、コーヒー、ミネラルウォーター、砂糖など

無料で提供されているお茶のティーバッグやドリップコーヒーなどは特に有料という記載がなければ持ち帰っても問題ないでしょう。

ただし、お茶缶に入っている茶葉も持ち帰りは前述のシャンプーと同じでNGと考えましょう。

便箋や封筒、ハガキ

ホテルのデスクの中などにはホテルオリジナルの封筒や便箋が用意されていることが多いですね。旅行に行ったことなどを家族や友人などに知らせるときなどに使ったりしています。こちらも消耗品と考えられますので持ち帰りもOKです。

ただ、ベッドサイドなどにおいてあることが多いメモ帳やペンなどは基本的に次のお客さんにも再利用されるものですから持ち帰りは基本的にダメでしょう。

ロゴ入りのペンなんかは記念品!みたいに思っている方も多いかもしれませんが、あまりよろしくないと思います。どうしてもという場合はホテルスタッフに確認してください。

シューシャインペーパー、ランドリー袋

靴磨き用のペーパーですね。これは“使い捨て”なので持ち帰りOKです。紙製の靴ベラなども使い捨てなので持ち帰りOKです。ランドリー用の袋もビニール製の使い捨てなら大丈夫です。

一方で使い捨てではないシューブラシ、プラスチック製の靴ベラなどは持ち帰ってはダメです。

ホテル側が迷惑!持ち帰りNGの備品の被害リスト

上記で紹介した備品、アメニティ以外は基本的にダメだと考えましょう。ホテルの備品についてのアンケートがHotels.com(2013年4月)によって行われていました。

こちらによりますと、回答者の65%はホテルから何も持ち帰ったことがない(シャンプー、歯ブラシなどのルームアメニティを除く)と回答していますが、言い換えれば約3人に1人(35%)の人は“持ち帰りを前提としてないものを持って帰ったことがある”というわけです。

ちなみに、日本人に限定しても持ち帰ったことがない人は73%で、約4分の1は持ち帰ったことがあると回答しているそうです。

ちなみに、この数字は宿泊者の自己申告によるものとなっているので、実際の数字はもっと高いのではないかと思われます。

同アンケートによる、よく持ち帰られる備品は以下の通りです。

  • 雑誌・書籍
  • タオル・バスタオルなどのリネン類
  • 電気製品(ドライヤー、ポット、アイロンなど)
  • ランプ
  • 目覚まし時計
  • 家具

などが回答として挙がっているそうです。「家具」「電気製品」ってのはツワモノ過ぎます。

また、別のアンケート「Wellness Heaven」によるホテル関係者へのアンケート調査「Theft in Hotels」が2019年12月3日に発表されました。その調査によるランキングは以下の通りです。

  1. タオル(77.5%)
  2. バスローブ(65.1%)
  3. ハンガー(49.3%)
  4. ペン(39.1%)
  5. カラトリー(33.6%)
  6. コスメ(32.8%)
  7. バッテリー(22%)
  8. アートワーク(20.2%)
  9. ブランケット(15.6%)
  10. 枕(14.3%)
  11. お皿(12.7%)
  12. タブレットPC(12.0%)
  13. リモコン(9.1%)
  14. ドライヤー(8.4%)
  15. 電球(7.3%)
  16. コーヒーメーカー(6.9%)
  17. テレビセット(6.1%)
  18. 電話(4.8%)
  19. 照明器具(4.3%)
  20. マットレス(4.2%)

リモコンとか持って帰ってどうするんだ?って気がしますけどね。あとマットレスとかあんなデカいのどうやって持ち帰るんだろう。

持ち帰りNGの備品を持ち出すと窃盗罪になることも

備品はホテルの資産です。

持ち帰りOKのアメニティを持ち帰ることは犯罪になりませんが、備品を持ち帰ることは犯罪であり、当たり前ですが「窃盗罪」にあたると考えられます。

窃盗罪の具体的な罰則

備品の持ち帰りが窃盗罪に問われた場合、刑法第235条に基づき「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科される可能性があります。ただし、窃盗罪が成立するには「不正領得の意思(他人のものと知りつつ自分のものにしようとする意思)」が必要です。
知らずに持ち帰ってしまった場合は必ずしも成立しませんが、テレビや家電など「高価と社会通念上認識できるもの」は意図的持ち帰りと判断されやすいです。

ホテルによってはお目こぼしをしてくれるケースもあるかと思いますが、悪質なケースだと警察に被害届を提出する可能性もあります。

ホテルによる追加請求の実態

高級ホテルを中心に、チェックアウト後にバスローブや備品が不足している場合、チェックイン時に登録したクレジットカードに自動的に請求されるケースがあります。明示的に案内していないホテルも多いですが、宿泊約款上は認められる対応です。

アメニティ重視でホテルを選ぶときのポイント

最近は環境配慮の流れで、客室内に歯ブラシやカミソリを置かず、フロントやアメニティバーで必要な分だけ受け取るホテルが増えています。アメニティを重視する場合は、予約前に公式サイトや予約サイトの設備欄を確認しておくと安心です。

確認したい項目
  • 客室内:歯ブラシ、カミソリ、ブラシ、スリッパ、ミネラルウォーターの有無
  • 大浴場:タオル持参が必要か、シャンプー類の種類
  • 女性向け:基礎化粧品、ヘアアイロン、ナイトウェアの貸出
  • 子連れ:子ども用歯ブラシ、パジャマ、ベッドガードの有無

【参考】海外ホテルの使い捨てアメニティ規制

環境規制は海外でも進んでおり、ニューヨーク州では2024年から宿泊施設での使い捨てプラスチック製アメニティ提供が禁止され、フランスでも一部規制が施行されています。
日本と同じ感覚で海外ホテルに宿泊すると、アメニティがほとんど用意されていない場合もあります。

ホテルとしても、利用者(宿泊者)の良識に頼らざるを得ない部分もあるのですが、こうした問題が大きくなればホテル側も自衛手段を講じざるを得ません。

結果として、そのツケは宿泊者に寄せられることになります。

宿泊者として、部屋の備品やアメニティについて持ち帰って良い/悪いを知り、正しく良識ある行動をとるようにしましょう。

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