海外旅行で使うデビットカードとプリペイドカードの手数料比較日本政府観光局(JNTO)のデータによると、2025年の日本人出国者数は約1,473万人(推計値)となり、前年の2024年に比べ約173万人(13.3%)増となりました。夏休み前に海外旅行の計画を立てられるかたや、これから出張や留学を控えているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、2026年現在も依然として円安が続いている昨今、無駄な出費はなるべく抑えたいものです。海外旅行の支払い、現金とクレジットカードだけで本当に大丈夫ですか?個人的には、不正利用によるクレジットカードの再発行の手間や、万が一の紛失時の対応も大きな問題だと考えています。今回は、為替レートが良く手数料が少ないチャージ式のデビットカードやプリペイドカードを検証しました。

出発前の確認:海外決済手数料を抑えるだけでなく、航空券・ホテル・現地移動費まで含めて総額を見ると節約効果が分かりやすくなります。カードを準備するタイミングで、旅行予約の支払い方法も整理しておきましょう。

クレジットカードの海外手数料、意外と高いって知ってた?

一般的なクレジットカードやデビットカードには、「海外事務手数料」という手数料がかかっていることをご存じでしょうか。海外でカードを利用した時に、海外取引に関する事務処理費用としてかかる手数料です。

実はこの手数料、以前は2%前後で設定されていることが多かったのですが、海外取引におけるコスト増加などが主な要因となり、最近は3.63%や3.85%など3%台後半まで引上げられています。

例えば海外で10,000円のお買い物をした場合の海外事務手数料は以下の通りです。

楽天カード:3.63% 約10,360円(+360円)
エポスカード:3.85% 約10,390円(+390円)
アメックス:3.85% 約10,390円(+390円)

旅行中に10万円使えば、手数料だけで3,600円〜4,000円近くになる計算です。それに加えて、カード会社の設定する為替レートは市場よりも上乗せされていることがほとんどです。物価高や円安で出費がかさむ中、手数料以上に目に見えないコストが発生してしまいます。

デビット/プリペイドカードが選ばれる理由

そこで活躍するのがデビットカードやプリペイドカードです。私も数年前から使用していますが、海外事務手数料がかからない、もしくは大幅に抑えられるうえに、以下のようなメリットがあります。

  • 即時レート採用で為替に強い
  • チャージした分しか使えないから安心
  • 発行が簡単で年会費不要
  • アプリ内で即停止でき、不正利用リスクを抑えられる

日本にいる間はこれらのカードを使っていないため、常に停止状態にしています。ボタン1つでとっても簡単です。冒頭で記述した通り、不正利用の心配がないことが安心ポイントです。

海外でカードを紛失・盗難に遭った場合も、全カード共通でアプリからワンタップでロックが可能です。ただし、Revolut、Wise、IDAREは海外での物理カード再発行には通常対応していないため、現地のApple Pay等に登録したバーチャルカードで継続利用するかたちになります。一方、Sony Bank WALLETの場合はソニー銀行の24時間サポートへ連絡して対応をあおぐ必要があります。

この記事では、私が実際に使い分けている4枚(Revolut、Wise、Sony Bank WALLET、IDARE)を徹底比較して、それぞれの使いどころ、チャージ方法、申込時の本人確認、そして手数料まで解説します。

4券種の比較一覧表

カード名 主な強み 為替レート Apple Pay 本人確認(eKYC)
Revolut 直感的なアプリ操作
両替無料枠の大きさ
独自レート
(市場連動)
対応 マイナンバーカード等
Wise 透明性の高い手数料
取扱通貨数の多さ
ミッドマーケットレート 対応 パスポート等
Sony Bank WALLET 対象10通貨の手数料0%
国内利用で還元あり
Visa指定レート 対応 ソニー銀行口座開設
IDARE 全ブランドクレカで
チャージ無料
Visa指定レート 非対応 アプリ内eKYC

まずは「チャージのしくみ」を超カンタンに説明

この記事で紹介しているRevolut、Wise、IDAREは、あらかじめお金をチャージしてから使うタイプのカードです(Sony Bank WALLETは銀行口座と連動します)。クレジットカードのように後から請求されるのではなく、先にお金を入れておくおサイフのようなイメージです。

チャージってどうやるの?

チャージ方法は2種類ありますが、シンプルなのは銀行振込です。
たとえばIDAREの場合、カードを発行するとチャージ専用の「自分だけの振込口座」がもらえます。

(例)GMOあおぞらネット銀行 キラキラボシ支店 普通 1234567

自分が持っている銀行口座(ネット銀行や地方銀行など)から、上記の口座に振り込むだけでチャージ完了です。

チャージ時の振込手数料に注意!

振り込みには銀行ごとに手数料がかかります。とくに注意したいのが、同じ銀行どうしか違う銀行かです。

手数料が無料なパターン:
楽天銀行 → 楽天銀行(Revolut)
PayPay銀行 → PayPay銀行(Wise)
GMOあおぞらネット銀行 → GMOあおぞらネット銀行(IDARE)

手数料がかかるパターン:
三井住友銀行 → PayPay銀行
ゆうちょ銀行 → GMOあおぞらネット銀行

つまり、チャージ先の銀行と同じ口座を持っておくとお得です。私は楽天銀行を持っているのでRevolutとの相性が良いと言えます。
それ以外にも、クレジットカードからチャージする方法がありますが、カードによってルールが異なるので、ここからはカード別の特徴と本人確認方法と共にわかりやすく解説していきます。

Revolut(レボリュート)

私の使用頻度が一番高いのがRevolutです。個人的に非常におすすめしたい1枚です。
アプリがとにかく直感的で、使いやすさが抜群。これに尽きます。取扱通貨数も35以上と豊富です。

  • 支払と同時にアプリ上に通知が届く
  • 履歴確認もスムーズ
  • Apple Pay/Google Pay(Apple Watchも)対応

発行と到着・本人確認

アプリで即日申込みOK、カードは7日前後で到着します。本人確認(eKYC)はマイナンバーカードまたは運転免許証で行います。
スタンダードプランのカード発行手数料は無料ですが、普通郵便での発送料として500円(速達は2,000円)がかかります。年会費は無料です。

注意点と手数料

  • クレカチャージはMastercardのみ無料(Visaは手数料約1.7%・その他不可)。
  • 海外ATM引き出しは月25,000円まで無料(超えると手数料発生)。
  • 外貨両替の無料枠は月30万円までと非常に余裕があります。
  • 平日の外貨事務手数料は無料ですが、土曜〜月曜朝の為替市場の時間外には1%の手数料がかかります(独自レート、インターバンクレートに近い)。

有料プランの検討もおすすめ
頻繁に旅行する方には有料プランも選択肢に入ります。
Plusプラン(月額約180円):ATM無料枠拡大、カード即日配送
Premiumプラン(月額約980円):ATM無料枠さらに拡大、空港ラウンジ特典、旅行保険、週末の為替手数料が無料
Metalプラン(月額約1,980円):金属製カード、キャッシュバック機能、週末の為替手数料が無料
※料金や条件は変動する可能性があるため、公式サイトで最新情報をご確認ください。

私は楽天銀行から振り込むこともあれば、楽天カードのマスターカードからチャージして使うこともあります。いずれもチャージ手数料は無料です。スタンダードプランの週末手数料回避のため、週末に少し大きめの額をカード決済する時はRevolutではなくIDAREを使うこともあります。

Wise(ワイズ)

Wiseは海外送金サービスから生まれた多通貨対応カードです。旅行者はもちろん、どちらかというと長期滞在者向きです。世界150か国以上での支払いに対応しています。

  • 世界50種類以上の通貨を1つの口座で管理できる。
  • 送金の着金が速く、ミッドマーケットレートを採用しているため手数料が明確で透明性が高い。
  • 審査不要で発行できる。本人確認はパスポートまたは在留カードを使用します。
  • 海外送金(80カ国以上に対応)や、マルチカレンシー口座(米・英・EUなどの現地口座番号を取得可能)の機能もあり、フリーランスの報酬受け取りなどにも便利です。
  • 2026年5月12日より、日本発行のMastercardデビットカードがApple Payに正式対応しました。

発行と到着

無料アカウント作成後、アプリで即日申込みOK。バーチャルカード(デジタルカード)も無料で即利用開始できます。
物理カード発行手数料は1,200円、年会費は無料です。
※先にデジタルカードを発行してから物理カードを申し込むと「追加カード扱い」となり、640円で発行できる裏技もあります。
カードは普通郵便で約6日で到着します(最短4営業日で届くことも)。旅行で必要な方は事前の注文がおすすめです。

為替レートの実測比較:Revolut vs Wise

「実際どちらのレートがお得なの?」という疑問をよく耳にします。Revolutはミッドマーケットレートに近い独自レートを採用していますが、Wiseはミッドマーケットレート(銀行間の中値)そのものを採用し、透明な固定手数料を上乗せする仕組みです。市場の変動タイミングにもよりますが、大きな額を両替する際や、特定のマイナー通貨を利用する際にはWiseの透明性が強みを発揮します。

注意点と手数料

  • 外貨残高がある場合は手数料無料ですが、残高なしの場合は0.33%からの手数料がかかります。
  • クレカチャージはVisa/Mastercard対応(手数料約3%、その他不可)。日本円のクレカチャージは未対応です。
  • 海外ATM引き出しは月2回、30,000円まで無料(超過分には手数料がかかる)。
  • アプリの動作が遅いと感じることがあります。

台湾のサマースクールや、タイの教育費などで利用しています。普段Revolutを使っているため、Wiseはアプリが直感的でないことがネックになり個人的な利用頻度は低くなっていますが、Apple Payに対応したことで利便性は格段に上がりました。為替レートの良さは圧倒的です。

Sony Bank WALLET(ソニーバンクウォレット)

ソニー銀行が発行する「Visaデビット付きキャッシュカード」です。ソニー銀行の提携ATMでキャッシュカードとして使えるほか、国内外の買い物にも利用可能です。

  • キャッシュカードとVisaデビットが一体型で1枚に集約。
  • Visaのタッチ決済/Apple Pay/Google Payに対応。
  • 年会費無料、発行手数料無料。申し込みは満15歳からです(審査不要ですがソニー銀行口座開設のための本人確認書類が必要です)。
  • 国内ショッピングで利用額に応じて0.5%~最大2.0%のキャッシュバックがあります。
Club S ステージ 主な取得条件(例) キャッシュバック率
シルバー 月末総残高300万円以上、または外貨預金積立3万円/月以上、または投信積立3万円/月以上など 0.5%
ゴールド 外貨預金+投信残高500万円以上など 1.0%
プラチナ 外貨預金+投信残高1,000万円以上など 2.0%

※住宅ローン利用で最長5年間ステージのランクアップがあるほか、家族(3親等以内)でグループを組むと合算資産でステージ判定が可能です。

外貨の取り扱いと手数料

1枚で日本円と10の外貨に対応しています。

  • 対象10通貨でショッピングし、外貨残高がある場合は「外貨のまま」決済でき海外事務手数料が無料です。
  • 外貨残高がない場合(円口座のみでの利用)は、1.79%(税込)の海外事務処理経費がかかります(Visaの指定レートを使用)。
  • 海外ATMからの現地通貨引き出しにも対応しており、手数料は1.79%(外貨残高なしの場合はさらに為替コストが加算)です。借入ではないのでキャッシング利息がかからず安心です。

どれくらいおトクか、具体的に見てみましょう。アメリカで1,000米ドルをショッピング利用した場合(例として1USD=140円と仮定した場合)の比較です。

  • Sony Bank WALLET(対象通貨で外貨残高あり):為替コスト最大15銭、海外事務手数料0%。円換算で140,150円。
  • 一般的なクレジットカード(手数料3.63%の場合):円換算で145,082円。

約5,000円近く差が出ます。

次に、韓国で100万ウォンを利用した場合(例として1KRW=0.1円と仮定した場合)です。

  • Sony Bank WALLET(対象外通貨):海外事務手数料1.79%。円換算で101,790円。
  • 一般的なクレジットカード(手数料3.63%の場合):円換算で103,630円。

こちらは約2,000円の差ですが、浮いたお金で美味しいランチが食べられそうです。
※実際の金額は利用時点の最新のレートにより変動します。

Wiseとの手数料比較

ソニー銀行もお得ですが、両替手数料に特化したWiseデビットカードと比較するとどうでしょうか。円口座にある日本円10万円分を使って外貨決済する場合の手数料比較です。

・米ドル:Wise 0.66%(660円) vs ソニー銀行 1.79%(1,790円)
・韓国ウォン:Wise 0.91%(910円) vs ソニー銀行 1.79%(1,790円)
・タイバーツ:Wise 0.89%(890円) vs ソニー銀行 1.79%(1,790円)

Wiseの方が最大1,000円以上お得になることもあります。使えば使うほどお得さは広がります。

なお、マイルを貯める・使う方向けの「ソニーバンクウォレット ANAマイレージクラブ」というカードもあります。キャッシュバックの代わりにマイルが貯まる仕様です。

IDARE(イデア)

IDAREは、日本国内発行のVisaプリペイドカードです。
他と違ってプリペイドカードなので、海外ATM出金や送金には非対応です。

しかし、その分「クレジットカードからのチャージが無料&全ブランド対応」という特化型の魅力があります。

  • Visa/Mastercard/JCB/Amex すべてのクレカでチャージ可能。チャージ手数料ゼロ。
  • 年率最大2%のボーナス(平均残高に応じて)というポイント還元があります。
  • Apple Pay / Google Payには非対応。VISA基準レートを採用。
  • カード発行手数料は900円、年会費は無料です。

発行と到着・本人確認

アプリで即日申込みOK、通常2週間以内に簡易書留で到着します。本人確認(eKYC)はアプリ内で完結するため非常に手軽です。

私はメインカードとしてAMEXを使用しているのですが、海外では使用できない店が多いです。そんな時にこのカードにチャージしてVISAカードとして使用する使い方をしています。他のカードと違い、ポイントが付与されるのも嬉しいです。

海外旅行ではカード準備と予約支払いをセットで考える

海外旅行用のカードは、現地決済だけでなく、出発前のホテル予約や航空券購入にも関係します。予約サイトで事前決済する場合、どのカードで支払うかによって為替手数料、ポイント還元、キャンセル時の返金額が変わることがあります。

出発前に整理したい支払い
  • 航空券:円建て決済か外貨建て決済かを確認する
  • ホテル:事前決済と現地決済で使うカードを分ける
  • 現地支払い:メインカードとサブカードを分散する
  • ATM利用:現地通貨引き出しが必要か事前に決める

結論

添付されている比較表も参考にしつつ、それぞれのカードには得意分野があることがわかります。

  • Revolut:アプリが直感的で使いやすく、私が一番おすすめしたい1枚です。初めて使った友人はたいてい「なんでもっと早く使わなかったんだろう」と言います。
  • Wise:留学やワーホリで、現地への送金や現金引き出しをしたい人にぴったり。為替レートの良さや取扱通貨の多さが強みです。Apple Pay対応で死角が減りました。
  • Sony Bank WALLET:日本で発行された銀行系の安心感があり、対象10通貨を利用する方や、国内でのキャッシュバック特典を狙う方におすすめです。
  • IDARE:クレジットカードチャージ無料の使いやすさが魅力。ATM出金はできませんが、サブカードとして持っておくと、思わぬ場面で助けられることがあります。

最後にひとこと。「クレジットカードだけが正解」じゃない時代です。海外旅行に行くなら、まずは一度このタイプのカードを試してみてください。自分の旅スタイルや目的に合ったカードを選べば、もっと安心で、もっとスマートに海外を楽しめるようになります。

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とらべるお
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