ANA(全日本空輸)とIHGホテルズ&リゾーツが、約20年にわたるパートナーシップをさらに発展させ、ロイヤルティ領域での包括的な連携強化を発表しました。

2026年10月以降、新たに「ステータスマッチ」「ダブルディップ(マイルとポイントの二重取り)」「ANAマイルとIHGポイントの相互交換」という3つの強力な特典が順次提供されます。

ANAのフライトとIHGでの宿泊が繋がり、特にANAの上級会員にとっては計り知れないメリットをもたらす内容となっています。この記事では、今回の発表内容を整理し、ステータスマッチの具体的な活用法や注意点について詳しく解説します。

提携強化で提供される3つの新特典

今回のパートナーシップ強化により、以下の3つの新たな特典が順次提供されます。

  • ANA上級会員向けのステータスマッチ(宿泊実績の付与)
  • ANA国際線搭乗でIHGポイントも貯まるダブルディップ
  • ANAマイルとIHGポイントの相互交換

IHGは、インターコンチネンタル、キンプトン、クラウンプラザ、ホリデイ・イン、voco、Hotel Indigoなど、世界100カ国以上で約7,000軒(開業中ホテルは約6,963軒)のホテルを展開する世界有数のホテルグループです。この提携により、ANAユーザーは航空とホテルの両方で大きな恩恵を受けられるようになります。

※注意点
各種特典は世界中のIHGホテルで利用可能になる予定ですが、一部対象外のホテルが設定される旨が公式より発表されています。利用時は対象施設であるかの確認が必要です。

ANA上級会員向けのステータスマッチと宿泊実績付与

今回の発表で最も注目すべきは、ANAマイレージクラブ(AMC)のステイタス会員に対するIHGワンリワーズのステータスマッチです。両方のアカウントを連携することで、AMCステイタスに応じたIHGの会員ステイタスや特典が提供されます。

このステータスマッチの最大の特徴は、対象者にIHGの「宿泊実績(Elite Qualifying Nights)」が自動的に付与される点にあります。具体的な対応は以下の通りです。

ANAステイタス 付与される宿泊実績 マッチするIHGステイタス
ダイヤモンド+More 68泊分 ダイヤモンドエリート
(※最低2泊の追加宿泊が必要)
ダイヤモンド 38泊分 プラチナエリート
(※最低2泊の追加宿泊が必要)
プラチナ 20泊分 ゴールドエリート
ブロンズ 10泊分 シルバーエリート

※ダイヤモンドエリートおよびプラチナエリートの獲得には、最低2泊の追加宿泊が条件となります。また、選択可能なマイルストーン特典の数は、公式には未確定です。

「ANAダイヤモンド+More」とは?

ステータスマッチの最上位に位置付けられている「ANAダイヤモンド+More」は、通常のダイヤモンド資格(100,000プレミアムポイント等)をさらに大きく超えた実績を持つ会員にのみ付与される特別な上位ステータスです。多くのANAユーザーにとっては馴染みが薄いかもしれませんが、最高峰のロイヤルティを証明するステータスとして優遇されています。

ANAダイヤモンドは「プラチナエリート」止まりという点に注意

一方で期待値の調整が必要なのが、通常の「ANAダイヤモンド」会員の扱いです。ANAの最上位ステータスであるダイヤモンドであっても、IHGにおいては最上位の「ダイヤモンドエリート」にはなれず、一段下の「プラチナエリート」にとどまります。この事実は、ANA修行者にとってシビアな現実と言えるかもしれません。

IHGの宿泊実績は「ポイント」でも達成可能

本来、IHGのダイヤモンドエリート到達には「70泊」、プラチナエリートには「40泊」が必要です。しかし、今回の仕組みでは、AMCダイヤモンド会員であれば最初から38泊分の実績を持った状態でスタートでき、残りの必要泊数が劇的に削減されます。これまで0から積み上げていた修行の労力が大幅に軽減されるため、IHG上級会員の維持難易度は大きく下がります。

また、IHGのステータスは宿泊数(ナイト数)だけでなく、ポイント獲得(ダイヤモンドは年間120,000IHGポイント)でも達成可能です。ポイントルートはレストランやスパの利用も対象となるため、実際の宿泊なしに条件を達成できるケースもある点は覚えておきたいポイントです。

SFC会員の扱いや既存のIHG割引について

注意点として、スーパーフライヤーズカード(SFC)会員は今回のステータスマッチおよび宿泊実績付与の対象外となっています。過去の期間限定キャンペーンではSFC会員も対象だったため、落胆する方もいるかもしれません。

既存のSFC向け割引特典は継続

ステータスマッチの対象外とはいえ、現在すでに提供されている「SFC会員・ダイヤモンド会員向けのIHG宿泊10%割引・朝食無料」などの既存連携特典は引き続き利用可能です。今まで通りのSFCプランを活用していくことをおすすめします。

また、ANAの対象ステータスを持たない場合は、有料の「インターコンチネンタルアンバサダー」に加入することでIHGプラチナエリート資格を獲得するルートもあります。

マイルストーン特典でラウンジアクセスを容易に獲得

IHGには、年間の宿泊数に応じて特典を選択できる「マイルストーン特典」があります。40泊を達成すると、非常に価値の高い「ラウンジ年間メンバーシップ」を選択できるようになります。

  • AMCダイヤモンド+Moreの場合:68泊分が付与されるため、あと2泊するだけで70泊に到達し、ラウンジアクセスを含む複数の特典を選択可能になる見込みです。
  • AMCダイヤモンドの場合:38泊分が付与されるため、あと2泊するだけで40泊に到達し、ラウンジアクセスを含む特典を選択可能になる見込みです。

たった2泊の追加宿泊でクラブラウンジへのアクセス権が得られるのは、破格の条件と言えます。ANAユーザーにとって、ダイヤモンド会員を目指すモチベーションがより一層高まる内容です。

一方で、この大幅な条件緩和により、IHGのクラブラウンジが混雑する懸念もあります。これまで比較的落ち着いた環境だったIHGのラウンジの治安が変化した場合、既存のIHGロイヤルティ会員から不満が出る可能性も否定できません。

IHG上級会員の魅力的な特典

ステータスマッチによって獲得できるIHGのエリート特典には、以下のようなメリットがあります。

  • プラチナエリート(ANAダイヤモンド等):客室アップグレード、レイトチェックアウト(午後2時)、ウェルカムアメニティ(ポイントまたはスナック)、ボーナスポイント60%など
  • ダイヤモンドエリート(ANAダイヤモンド+More等):上記に加え、無料朝食の選択(ウェルカムアメニティ)、ダイヤモンド専用サポート、ボーナスポイント100%など

ダイヤモンドエリートになれば、朝食無料という非常に実用的な特典がついてきます。

ダブルディップとマイル・ポイント相互交換

ステータスマッチ以外の2つの新特典も、旅行者にとって利便性が高いものです。

ダブルディップと相互交換の詳細
  • ダブルディップ(二重取り)
    対象となる「海外発旅程のANA国際線(ANA便名かつANA運航便)」に搭乗した際、通常のANAマイルに加えて、IHGワンリワーズポイントも同時に獲得できるようになります。
  • 相互交換
    これまでの「IHGポイントからANAマイルへの交換」に加え、新たに「ANAマイルからIHGポイントへの交換」が可能になります。これにより、貯まったマイルやポイントを、フライトとホテル宿泊のどちらに充てるか、より柔軟に選択できるようになります。

なお、これらのダブルディップでのポイント獲得レートや、相互交換時の具体的な交換レートは2026年4月時点では未発表です。詳細は今後順次発表される予定ですので、公式からの続報を待ちましょう。

アカウント連携方法・申請手順の見通し

今回の提携強化に伴う具体的な申請方法(AMCとIHGワンリワーズのアカウント連携手順)については、現在まだ公開されていません。サービスが開始される2026年10月以降に、両社の公式サイトにて詳細な連携ページが設けられる予定です。

まとめ

今回のANAとIHGの提携は、単なる特典の追加にとどまらず、ホテル修行の概念を根本から変えるインパクトを持っています。ANAを頻繁に利用し、ホテルにも宿泊する層にとっては、両者のサービスを連携させることで得られるメリットが絶大です。

2026年10月のサービス開始に向けて、ANAのステータス獲得や維持の計画を見直す良い機会となるでしょう。

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